「海運」とは、海を利用してヒトやモノを運ぶこと。
輸出入を合わせた日本の貿易量は年間9億トン以上。 そのうち、99.7%が「船」で運ばれているのです。
海運の発展は、そのまま人類文明の発展と歩調を共にしてきましたが、ときに民族や文化の衝突をも引き起こすほどでした。
丸木舟や筏の時代が終わりガレー船の時代になると、 東地中海に交易路と生活圏を広げた古代ギリシヤはペルシヤと衝突し、 続く時代ではローマとフェニキアが商圏をめぐり、 激しい戦いを繰り広げました。
15世紀に入ると、キャラック船やガレオン船は 外洋の航海を可能にし、西洋では大航海時代を迎えます。 東洋ではジャンク船による遠洋航海が交易範囲を拡大しました。 これにより、外洋航海の技術を持つ民族や国家が、 そうでない者を支配する植民地時代に入ります。
悲惨な事件が数多く起きた一方で、 クリッパーなどの快速帆船による華々しい茶の輸送競争などと共に船の高速化、大型化が加速。 世界をより小さいものとしてきました。
その後、自然の風や潮流を利用した帆船の時代が終わりを迎え、 動力を持った鋼船の時代に入ります。 洋上の危険は少しずつ克服され、より安全に交易が行われるようになります。 多種にわたる品目が大量に輸送され、これによって大量生産・大量消費が可能になりました。 現在私たちが暮らしている日々の生活は、海運の発展に伴って向上し、支えられているのです。
海運業界を取り巻く環境
海運業界は原油価格や為替、また世界情勢の影響を受けやすいこと、 加えて、輸送自体の差別化は難しいため、結果的に価格競争になりがちです。
以下の業界再編の歴史を見ても分かるように、海運業界は非常に競争が激しく、 幾度となく再編・統廃合が進められてきた業界です。 最近では日本の海運最大手の3社がコンテナ船事業を統合し、 ついに1社となりました。
そんな厳しい環境のなか、1974 年に設立された協和海運は、 大手船社の傘下ではない、完全独立経営をもって海運業界に果敢に挑み、 これまで40年以上も安定した経営を続けてきました。
海運業の主な再編の歴史
1945第二次世界大戦終結→復興とともに船隊が拡充される
→船腹過多 / 過当競争による業界の疲弊
海運業再建のため、中核の6社を軸に業界が再編される
三井船舶
協和海運株式会社設立!
海運会社の統廃合が進み、中核3社に
中核3社の定期船(コンテナ船)事業はついに1社に統合
協和海運は、完全独立経営により、
これまで40年以上も安定した経営を続けています。
協和海運は「船会社」
協和海運は「船会社」です。 「船会社」というのは、船を利用し、 貨物や旅客の海上輸送(=海運)を行う会社をいいます。 協和海運は自社で船を保有し運航を行う船会社で、「オーナー・オペレーター」と呼ばれ、自社の船舶を中心に貨物輸送サービスに従事しています。
協和海運の事業の特徴
協和海運は、なぜこの厳しい海運業界で、順調に成長を続けることができているのでしょうか。
協和海運は、「太平洋島嶼国地域」を中心に定期船の運航を行っています。
1974 年の創業以来、一貫して極東、東南アジアから、 ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアの国々への海上輸送を担ってきました。 現在は3 つの航路を持ち、島の生活に必要な食品、衣料、建築資材など あらゆる貨物を日々運んでいます。
「太平洋島嶼国地域」とは 領土が大小さまざまな島々から構成される島国のことをいいます。 大陸から遠く離れているため、開発が困難です。 また、国土も狭く、人口、国民所得も低い途上国です。
現在、この地域に配船を行っている会社は数が限られており、 協和海運の安定した経営のもととなっています。 また、創業以来40年以上という長い年月をかけて実績を積み重ね、現地の政府からも"パートナー"として大きな信頼を得ています。
独立経営だから、国内外の船社と柔軟な連携ができる!
海運は「世界単一市場」と呼ばれ、海上を自由に移動し、世界中どこでも商売をすることができます。 あらゆる海運会社が自由に参入できる開かれた市場なので、 ライバルは、世界中の船会社。 競争は激しくなる一方です。
しかし、協和海運は国内オペレーターでは珍しく、大手三社の傘下でない完全独立経営の会社。 親会社、系列会社からのレギュレーションや、しがらみ といった悪しき慣習と無縁な点が、私たちの強みでもあります。 状況によっては、国内外の船社とも提携を結び、柔軟に協調し合います。 他社との提携によるメリットは様々です。
例えば、市場開拓。
米州など、これまで営業拠点がなかった地域からの集荷が可能となり、販路拡大を手にすることがあります。 また、他社船との連携により、自社の運航船腹以上のスペースを確保できる、 配船サービスの頻度を上げられる、といったシナジーも生まれます。 運航の採算は、世界の原油市場や為替、金利の変動、各国の政情不安などとも密接に関わります。 私たちはそれらの状況も加味し、柔軟に他社船と連携し、リスク低減とメリットの共有に努めています。
船舶管理会社、商社をグループ会社に!
協和海運は、1974年の創業以来一貫して、 太平洋島嶼国への定期配船という独自のビジネスモデルを築いてきました。
当社は、配船先の大小様々な港、貨物に対応できるよう、特殊な「多目的船」船隊を有しており、 それらは全て自社で設計、建造、保有されています。
2000年、大切な資産である船を常に万全な状態に保つため、 協和海運は、船舶管理会社「トリテック」をグループに迎えました。 この資本提携に伴い、船舶管理はもちろん、船員配乗業や船舶技術コンサルティング、 船舶売買仲介といった、多角的な事業展開も可能となりました。
さらに、2016年には、 太平洋島嶼国をはじめとした世界中の商品の輸出入を手がける商社「エース物産」を、グループ化。 現在、車両、食物、家具などの輸出入を展開し、販路拡大に努めています。
私たちは、それぞれ独自のビジネスモデルを発展させてきた企業との連携を深めることで、経営の安定化と、事業成長の強化を目指し続けています。
トップメッセージ
当社は1974年の創業以来、どのように其の特色を出し、社会的な存在を確立し発展させていくかを常に経営の根幹としてきました。それはとりもなおさず、生活必需品のほぼ全てを輸入に依存している南太平洋の島嶼国にとって信頼されるライフラインとなることだと思っています。
信頼は、関わる人々の人間性が何よりも大切です。 相手の立場に気を配りながら誠意を持って絆を結んでいくことは、会社という組織のみならず、日常生活においても居心地がいい生活を送る上で大切です。
然しながら、私企業は苛烈な競争社会の中で将来においても継続し、社員の雇用を維持し、社会的な責任を果たさなければなりません。また、一方では南太平洋の人々の安定した生活を守るという責任もあります。
南太平洋の国々はそれぞれ違った民族、宗教、言語、風習で成り立っています。人間力を養いながら現地の人々や大統領や首相、それに在京の大使等と一緒に島嶼国の国づくりに貢献できることは、民間企業とは言え、私共がこの仕事をしていく上での大きな魅力だと思っています。
協和海運にはグループ会社として貿易(車両、フルーツ、家具、食肉等)、船舶管理会社があります。その相乗効果を活かし、更なる展開に繋げていきたいと思っています。
以上のことを実現するために、若い皆さんと一緒に考え次なる展開を図っていきたいと願っています。
会社概要
- 名称
- 協和海運株式会社(英語名:Kyowa Shipping Co., Ltd.)
- 設立
- 昭和49年6月29日
- 本社
- 〒 105-0004 東京都港区新橋1丁目1-1 日比谷ビルディング4階
- 大阪支店
- 〒 550-0011 大阪府大阪市西区阿波座1丁目13-16 松本フォレストビル7階
- 事業内容
- 外航海運業 海運代理店業 その他
- 資本金
- 99,500,000円